12世紀~14世紀後半、イギリスから輸入した良質の羊毛を高級な毛織物として輸出し、一大産業を築いたフランドル地方。イーペルでも、倉庫に保管された毛織物をネズミなどの害虫から守るために、たくさんの猫が飼われ、大切にされていた。
しかし14世紀に入り、ヨーロッパ各地でペストが大流行すると、猫は病気や災いをもたらす魔女の使いとされ、暗黒の時代を迎える。猫と共に生きてきたたイーペルの住民も、猫が異教徒であるという疑いを晴らすために、生きた猫を高い塔から投げ落としたとされている。この猫を投げ落とすという習慣は1817年まで一年に一度、「猫の水曜日」に行われていた。
「イーペルの猫祭り」は、この暗い歴史を忘れないように、そして猫を悼むために、1938年からは縫いぐるみの猫を投げ落とす猫祭りとして、姿を変えた。今年は5月10日に世界中からお祭り好きや猫好きが集まり、街中では猫の山車や顔に猫のペイントを施し、猫に扮した観光客など7000匹の猫人間であふれかえった。
猫を愛するイーペルの街には、いま、野良猫がほとんどいないという。秘められた街と猫との歴史、その謎を解き明かす猫づくしの旅がたっぷり楽しめる放送内容となっている。
ワールドペットニュース
街中に猫7000匹「ベルギーの猫祭」BSプレミアムで放送
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