海遊館では、ミナミイワトビペンギンの繁殖率向上を目的に、2011年より神戸大学大学院農学研究科の楠 比呂志准教授と人工繁殖技術の共同研究に取り組んできた。ことしは、飼育羽数が多く自然繁殖の実績を持つ東京の葛西臨海水族園に協力を依頼し、4月末に葛西臨海水族園のオスから精子を採取し、海遊館で飼育中の3羽のメスに人工授精を行った。
人工授精を行った3羽のメスは、4月28日から5月4日にかけて計5つの卵を産み、ペアの親鳥が約1ヵ月間あたため、6月4日から6日にかけて3羽の雛が誕生。卵の殻の内側に付着した血液からDNA検査を行った結果、3羽のうち1羽が人工授精による雛の誕生であることが判った。
海遊館では、この技術を絶滅の恐れがある野生下のミナミイワトビペンギンの種の保存にも貢献したいと考えているという。
人工授精で誕生したヒナを含め、3羽は現在一般公開されている。
関連URL: 海遊館ニュース「DNA検査の結果、人工受精によるミナミイワトビペンギンの雛の誕生を確認しました~本種では世界初~」