1949年、戦後初めてのタイから日本にやってきた2歳のゾウのはな子は、最初、恩賜上野動物園(いまの上野動物園)に滞在し、その後、7歳のときに井の頭自然文化園に移動した。しかし、はな子は9歳の時に、深夜、酔ってゾウ舎に忍び込んだ男性を踏み殺してしまい、また、13歳の時にも、飼育員の男性を踏み殺す事故を起こす。どちらも、人間の不注意で起こった事故だが、新聞で大きく取り上げられ「殺人ゾウ」と呼ばれたはな子は、暗いゾウ舎に2ヶ月以上鎖でつながれ、精神的に大きなダメージを負ったはな子は、人間不信となり食べることを拒み、どんどん痩せ細っていった。
1960年6月、多摩動物公園で子ゾウを飼育を担当していた(故)山川清蔵さんが、はな子の飼育係として井の頭自然文化園に着任。山川さんは、人間への敵意をむき出しに威嚇してくるはな子にひるむことなく世話をし、6年以上かけ、はな子と信頼関係を結ぶ。定年を迎えるまで30年間、山川さんは、はな子の世話をし続けた。
はな子は、2016年5月26日、69歳の生涯を井の頭自然文化園で終えた。今回の、はな子の運動場開放は、はな子が観ていた桜を、はな子の目線で観ることができるようにと企画された。また、会期中の午後12時30分~、1時30分~、2時30~の1日3回、東京藝術大学の学生によるミニコンサートも開催される。
はな子の運動場開放は、午前11時から午後4時まで。入場料が必要。
ワールドペットニュース
「はな子とサクラ。」ゾウのはな子が観ていたサクラを観に来ませんか
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