16日付の英「テレグラフ」は、今週火曜に開かれた仏国民議会の法律委員会において、現行の民法では家具などと同じく、飼い主の「所有物」とされるペットの規定を「感覚ある生き物」と改定することが決まったと伝えている。
きっかけとなったのは、長年法改正に向け活動を展開してきた動物愛護団体「30 Millions d’Amis(“3000万の友だち”の意)」が提出した嘆願書だった。およそ68万人もの署名が集まったそうで、なかには著名な哲学者や元大臣なども名を連ねているという。
同団体のレア・ユタン代表は「犬や猫を自力で歩き回る“家具”として扱うなんて、あまりにナンセンス」とコメントしており、同団体はこの決定を「最初の大きな一歩」と評価しているようだ。
フランスの法律においては、「自然保護に関する法律」や「農事法典」で、すでに動物を「感覚ある存在」と規定しているのだが、民法ではナポレオンの時代から200年以上“家具扱い”のままで現在に至っているとか。
今後正式に民法改正となるには、国民議会および元老院本会議において改正案が可決される必要があるが、法改正が実現すれば、動物虐待事件の立件がしやすくなるなど、動物をめぐる状況改善につながるのではと期待されている。
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