FDAが公表した報告書によると、2014年5月1日時点で、ペット用ジャーキーによる体調不良を訴える報告が約4800件寄せられており、その大半が中国産の原材料を使用したジャーキーを与えたことと関連しているという。昨年10月にFDAが発表した際と同様、鶏肉や鴨肉、サツマイモ、ドライフルーツなどを使用したものが、引き続き問題となっている。ブランドは特定されていない。
体調不良を訴えているのは犬が5600頭、猫は24頭で、1000頭以上の犬がすでに死亡しており、なかには人が体調不良を起こしたケースも3件報告されているという。発生場所に特定のパターンは見られない。
体調不良の具体的な症状については、報告全体の約60%が胃腸の不調、30%が腎臓・泌尿器の不調で、残りの10%はけいれん、震え、じんましんや皮膚のかぶれなど、さまざまな症状が見られた。特に腎臓に異常が見られるケースでは一部、特定の犬種に遺伝病として発症することで知られる、「ファンコニー症候群」の症状が見られたという。
また、愛犬が死亡したケースにおいて、飼い主の協力のもと26頭の検死解剖を行ったところ、そのうち半数の遺体に全身に転移したガンやクッシング症候群の症状、外傷性の内臓出血などが見られ、残りの11頭には腎疾患、2頭には胃腸疾患の兆候が見られたが、体調不良を引き起こす原因物質が特定されていない現時点では、ジャーキーとそれらの症状の因果関係は不明だとしている。
FDAは今までに各関係機関と連携して調査を行っており、中国当局との情報交換や現地の製造工場の調査なども実施しているが、原因物質の特定に難航しており、今後は疾病対策予防センター(CDC)に協力を仰ぎ、調査にあたるとしている。また、さらなる検死解剖も予定しているという。
ペットオーナーに対しては、ジャーキーを与えたあと数日中に、食欲低下や活動の減少、嘔吐、下痢、多飲多尿などの症状が見られた場合、ジャーキーを与えることをただちにやめ、症状が重かったり24時間以上続く場合は、獣医師に相談するよう注意を促している。
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