妻に先立たれ、ひとり暮らしをしていた偏屈な元校長先生・森衣恭一。近所では浮いた存在の彼のもとに、亡き妻が餌を与え、かわいがっていた三毛猫・ミイが毎日やってくる。猫ぎらいの森衣がどんなに追い払っても、いつも妻の仏壇の前に座るミイ。しかし、ある日突然姿が見えなくなる。なぜか心配になってしまった森衣は、ミイを探しに外に出る。すると町には、タマ子、ソラ、ちひろなど、まったく違う呼び名でミイを探す人たちがいた。そんな人たちとの関わりを通して、偏屈な森衣の心が少しずつ変化し、やがて小さな奇跡が起こる。
主人公の森衣を演じるのは、イッセー尾形。元中学の校長で、近所でも有名な偏屈なおじいさん・森衣を、その個性的かつ圧倒的な存在感で演じ、唯一無二のキャラクターに作り上げた。
もうひとり(一匹)の主役、猫のミイを演じるのは、NHK朝ドラ『あまちゃん』で夏さんの飼い猫カツエ役でデビューし、『ヨルタモリ』など人気番組にも出演していた三毛猫「ドロップ」。代役なし、全編1匹で演じきるという、猫映画としてはおそらく史上初の試みに挑戦し、見事な天才“女優”ぶりを発揮した。
猫との撮影で苦労したところは?という質問に、イッセー尾形はこう答え、ドロップを絶賛している。
「賢い猫でした。とりたてて意思の疎通を図らなくても自分でやってくれました。仏壇の前に座るドロップを嫌そうに横にどかすとき、目が合いました。『何?』といった目つき。あ、共演してるなと思いました」
原案は、埼玉県の岩槻の地域猫失踪事件を扱った『迷子のミーちゃん~地域猫と商店街再生のものがたり~』(木附千晶著/扶桑社刊)。著者と母親がミーちゃんと名付けかわいがっていた猫がいなくなってしまう。行方を探すなかで、ふたりが知らない人たちがミーちゃんを気にかけていたことを知り、町の人々につながりが生まれていく。その過程を追ったノンフィクションだ。『先生と迷い猫』はこのノンフィクションをベースに、オリジナルキャラクターやストーリーを加えて映画化された。
話題性に富んだこの映画には、猫好きな著名人から絶賛のコメントが届いている。一部を紹介すると…
・今日マチ子(漫画家)
人は常に猫を追いかけている。
猫は去っていったのではなく、どこかで迷っているだけだから。
・森村誠一(作家)
猫と暮らす幸せと夫婦の絆を静かに伝えてくれる。
猫には人間に欠けているものを補う力があるんです。
ラストシーンはソフトなのにギュッと心が締めつけられました。
・うにまむ(「うにの秘密基地」ブロガー)
ワンカット目からこんなにハートを射抜かれた映画がかつてあったでしょうか。
ドロップちゃんのあまりのかわいさに、ワタクシ終始悶絶でした!
『カタブツでヘンクツな先生』も、そりゃあ好きになっちゃいますよね♪
・八二一(写真家)
あの子、どうしてるかな?と思い出してもらうことは、
猫の幸せのひとつではないかと思います。
みんなのなかにいて、心配してもらうミイちゃんと、
ミイちゃんを心配する人たちは幸せな関係だと思います。
なお、映画『先生と迷い猫』製作委員会は、環境省「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」に賛同。映画の前売り券の売り上げの一部を、動物愛護のための活動を行う全国の地方自治体へ寄付する。
【『先生と迷い猫』作品概要】
2015年10日10日(土)より全国ロードショー
◆キャスト
イッセー尾形
染谷将太 北乃きい ピエール瀧 嶋田久作 佐々木すみ江 カンニング竹山 久保田紗友 / もたいまさこ / 岸本加世子
ドロップ(三毛猫)
◆スタッフ
監督:深川栄洋
脚本:小林弘利
原案:「迷子のミーちゃん~地域猫と商店街再生のものがたり~」木附千晶(扶桑社・刊)
製作:「先生と迷い猫」製作委員会(クロックワークス、ポニーキャニオンエンタープライズ、ビデオプランニング、GYAO、クオラス)
関連URL: 『先生と迷い猫』 公式サイト