ダウニング街10番地は、昔からネズミが多く住み着く街として知られており、またそこにあるイギリス政府の首相官邸は、ネズミの被害にあうことが多かったので、1500年代初期頃よりネズミ退治のために猫を「雇う」という習慣があった。2011年2月に当時首相だったデーヴィッド・キャメロンとその家族が、バタシー・ドッグス・アンド・キャッツ・ホーム(犬と猫の保護施設)から引き取ったのは現在の首相官邸ネズミ捕獲長「ラリー」というオス猫。先頃、キャメロン氏は首相を辞任したが、ラリーは新首相テリーザ・メイの就任後もネズミ捕獲長に留任することとなった。
その首相官邸と隣接している外務および英連邦省には2016年4月に、ラリーと同じ保護施設から引き取られた「パーマストン」というオス猫が、外務省のネズミ捕り長官として就任している。
さきごろ、この2頭の緊迫したキャットファイトの模様が、英メディアの注目を集めた。その日、ホワイトホールの周りで閣僚の動きを見守っていたカメラマンは、パーマストンが隣接部門の敷地に入ったラリーを、外務省への領海侵犯と見なし、防御態勢を取るのを見た。数分間、緊張が続くにらみ合い・うなり合いの後、2頭は戦闘に入り、勝利を収めたのはラリー。パーマストンは、深手を負う前に敗北を認め外務書に逃げ戻った。
そもそも、ラリーを雇用したキャメロン元首相はEU残留派、7月に就任したボリス・ジョンソン新外務大臣は、イギリスのEU離脱を主導した中心人物。時期尚早かも知れないが、新首相テリーザ・メイの新政府には、すでに、首相官邸と外務省との間で大いなる緊張感と熾烈な争いが起きていると、マスコミは報じている。
関連URL: Telegraph:英首相官邸猫ラリーと外務省付き猫パーマストンが激しい戦い(英文) Larry the CatのTwitterアカウント PalmerstonのTwitterアカウント