今回の展示総数は前回の2倍となる約160点。動物の浮世絵といえば、歌川国芳による猫が有名だが、本展では鈴木春信、葛飾北斎、歌川広重、月岡芳年、河鍋暁斎といった名だたる絵師たちが登場。猫や金魚、擬人化されたタコや狐、龍や河童など、それぞれの個性が発揮された動物描写も注目だ。
前期の見所としては、歌川芳豊による江戸時代に初めて日本にやってきた当時は珍獣の象を描いた「中天竺馬爾加国出生新渡舶来大象之図」。幕末の文久2年(1862)、アメリカ船がマラッカから連れて横浜にやってきた象は、翌3年に両国で開催された見世物興行の際に描かれた。画中には、「一度此霊獣を見る者ハ七難を即滅し七福を生ず(福を呼ぶご利益のあるありがたい動物)」と描かれていて、新しいもの・珍しいものが好きな江戸っ子の気質が忍ばれる。
展覧会の見どころを担当学芸員が解説する学芸員によるスライドトークは、4月8(土)、11日(火)、19日(水)、5月11日(木)、17日(水)、23日(火)
のそれぞれ午後2時から40分程度、太田記念美術館 視聴覚室(B1)で予定されている。申し込みは不要。「浮世絵動物園」の入館料は、一般700円、大高生500円、中学生以下は無料。
関連URL: 太田記念美術館「浮世絵動物園」