肉食の哺乳類が生息していなかった島嶼に棲みつく野生化した猫(ノネコ)は、在来の生物に深刻な被害を及ぼしているが、「ノネコ=害獣」として安易な駆除・殺処分は、動物愛護管理法によっても社会的なコンセンサスを得られない状況にある。このため、野生化猫を捕獲して、室内飼育に馴れさせ「飼い猫」として一般家庭に譲渡する動きが広まりつつある。
本写真展では、小林三枝子さんと大串哲さんが撮影した、御蔵島で捕獲され現在は7カ所の家庭で暮らしている元野生化猫(内地4、御蔵島3)の捕獲直後、または捕獲間もない頃の猫、馴化途中の猫の写真などを展示。人の愛情にふれることで猫は大きく変わることを紹介する。また、御蔵島における野生化猫とオオミズナギドリの問題についての解説パネル展示や、他地域の事例紹介として天売島と小笠原の野生化猫問題の経緯を紹介するコーナーも設置する。
また、10月28日(日)午後3時からは、野生化猫問題にかかわる太田快作獣医師(ハナ動物病院院長)ほかによる御蔵島と天売島の事例を取り上げ、生態系保全と動物愛護の両立について議論するトークイベントが予定されている。
主催は、御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会。この会は、御蔵島に通うイルカ好きの 2人(草地ゆきさん/長谷川潤さん)が発起人となり、「御蔵島の自然と、オオミズナギドリと猫両方のいのちを守りたい」という思いで2016年11月に立ち上げた任意団体。ホームページやFacebookなどでの情報発信や御蔵島での野生化猫の捕獲・内地への移送・馴化・飼い主募集・繁殖抑制(ハナ動物病院・高円寺ニャンダラーズと共同実施)、啓発用グッズの制作と販売、啓発・交流イベントの実施などを行っている。
Gallery Pawpad(東京都世田谷区砧5-23-8 板倉ハイツ1F)は、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅の改札を出て左に曲がり、ウルトラマン商店街を南下、徒歩8分ほどの距離。開催時間は、平日、午後1時から7時、土日祝は午前11時から午後7時。入場は無料。問い合わせは、長谷川潤さん、電話:080-5046-1694 、またはE-mail:june_hsgw1969@ybb.ne.jp まで。
関連URL: 御蔵島の森ネコ写真展 ~森からやってきて、愛すべきネコたち~ 御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会 ホームページ トークセッション「森ネコはどこへ行く?~御蔵島と天売島を例に~」