ボストン・ダイナミクス社製のロボット犬 「スポット 」が、米シークレットサービスの最新兵器として導入された。
このロボットは最近、フロリダ州パームビーチにあるドナルド・トランプ次期大統領のリゾート地「マー・ア・ラーゴ」の周辺をパトロールしているところを目撃されている。
武器は持たず、ルートがあらかじめプログラムされており、遠隔操作や自動制御が可能だという。
アメリカ大統領選挙までの数カ月間、トランプは2度の暗殺未遂事件の標的となった。ひとつは7月にペンシルベニア州バトラーで行われた集会で、もうひとつは9月にマー・ア・ラゴのゴルフコースで起きた。
シークレットサービスは、トランプ大統領の警備におけるロボット犬の使用について、BBCからの具体的な質問に答えることを拒否したため、導入目的や任務についての詳細はまだ明らかになっていない。
専門家の見解によると、マール・ア・ラーゴは敷地の多くが露出しているため、ロボット犬は、人間だけよりもはるかに広い範囲をカバーすることができる。
今やロボット犬は世界中の軍隊や法執行機関で使用されるツールになりつつあり、武装して銃をもつものや、爆発物の探知に優れたものもある。
ニューヨーク市警は昨年、ロボット犬を警察部隊に追加しているし、ウクライナもロシア区域の偵察のためにロボットを使用している。
ボストン・ダイナミクスのマーケティング資料によれば、このロボット犬には周囲の3Dマップを作成する複数のカメラが装備されており、熱感知などの追加機能もある。
しかし、いずれも人間の操縦や制御なしには実現しない。今のところ、ロボットの近くには人がおり、ロボットの動きを監視しながら協働していることが多い。
また、高機能にもかかわらず、このロボットはいとも簡単に倒すことができる。アクアネット・ヘアスプレーを 「顔 」に吹きかければいいのだ。それだけでカメラが正常に作動しなくなる。
トランプ氏を守るロボット犬は武装していないため、襲撃に対処できないのが弱みかもしれない。
マール・ア・ラーゴでは、シークレットサービスのエージェントがスポットと一緒にパトロールしているのが度々目撃されている。
技術的な故障があった場合にサポートできるような人間が、舞台裏ではまだ必要だと専門家は話すが、数年後にこのロボット犬がどこまで進化しているか注目したい。
関連URL: ‘Do not pet’: Why are robot dogs patrolling Mar-A-Lago?