
世界の人口が高齢化し、認知症率が上昇するなか、科学者たちは認知機能低下との闘いにおいて思いがけない味方を見つけたかもしれない。
それはペットたちだ。ペットを飼うことで高齢になっても特定の脳機能を維持し、認知機能の低下を遅らせることができる可能性があるとの研究結果が発表された。
興味深いことに、ペットと飼い主の脳機能の関連性は動物によって異なっている。
ジュネーブ大学の寿命発達心理学研究グループに所属するロステコバ氏は、50歳以上の成人における18年間のペットの所有と認知機能低下の関係を調べるなかで、とりわけ犬、猫、鳥、魚を飼うことの明確な役割に注目した。
「私たちの研究の重要な新しさは、種によって顕著な違いが見られたことです」と彼女は言った。
データから、犬の飼い主は即時記憶と遅延記憶の両方でより鋭い記憶力を保持し、猫の飼い主は言葉の流暢さの低下が遅いことがわかった。
残念ながら、魚や鳥を飼うことと、認知機能の低下を遅らせることとの間に有意な関連性は見られなかった。
「魚や鳥の寿命が短いため、ペットの魚との感情的なつながりのレベルが制限される可能性があります。鳥を飼うことは、騒音レベルの上昇により、飼い主の睡眠の質に悪影響を及ぼすかもしれない」とロステコバ氏は推測する。
ほかの研究では、犬とのふれあいによって前頭前野の脳が活性化し、注意のプロセスや感情的興奮が強くなるという証拠が見つかっている。
さらに、猫とのふれあいによって、前頭前野と下前頭回が活性化するという証拠もあり、これは猫の特徴的で予測しにくい気質と関連していると推測されている。
現実的に考えると高齢者がペットを飼うことは、最期まで面倒を見られないかもしれないという不安が常に伴う。
それでもペットを飼うことは楽しいことであり、それによって健康が維持されるのであれば試してみる価値はあるのかもしれない。
関連URL: Owning dog or cat could preserve some brain functions as we age, study says