
暗闇で光るウサギやユニコーン...そんなおとぎ話にしかで出てこないような動物が、現実のものとなる日が近づいている。恐ろしいことではあるが、法で規制するのも難しい状況にあるのだ。
カリフォルニア州では、遺伝子組み換えによる「デザイナーペット」の販売を規制しようとした法案が、強い支持を集めながらも州議会で停滞している。
「Ethics Over Aesthetics Act(美学より倫理法)」と呼ばれるこの法案は、レティシア・カスティージョ州議会議員が提出したものだ。
動物の健康や福祉ではなく、外見を変えることだけを目的とした遺伝子改変を対象とし、企業による輸入・販売・広告などを規制する内容だった。
一方、病気への抵抗力を高めたり、人間にアレルギーを起こしにくくしたりするなど、動物の健康や人との共生に役立つ遺伝子改変は規制の対象外とされた。また、すでに販売されているブルーライトで光る観賞魚「GloFish」も対象外となる予定だった。
背景にあったのが、遺伝子編集技術の急速な進歩だ。法案の審議資料では、蛍光タンパク質の遺伝子を組み込んで暗闇で光るウサギをつくり、ペットとして販売する構想を掲げる企業が紹介された。さらに、遺伝子技術を使って「本物のユニコーン」のような斬新な動物をつくる構想も報じられている。
法案では、毛や皮膚、羽毛、鱗などの色を変えるといった「美容目的」の遺伝子改変を規制している。違反した場合には、1匹につき少なくとも5,000ドルの民事罰金を科す案だった。
遺伝子改変による長期的な健康への影響が分からないまま需要だけが高まり、飼い主に手放された動物が保護施設に流れれば、施設の負担が増える可能性も指摘された。
法案は州下院を全会一致で通過し、上院の委員会でも6対0で可決されるなど、審議は順調に進んでいた。多くの動物福祉団体も支持していた。
しかし最終的には上院歳出委員会で審議が止まり、今会期中の成立には至らなかった。反対側からは、合法的な商取引や消費者の選択肢を不必要に制限する可能性や、「美容目的」という主観的な基準で規制することへの懸念が示された。
また、違反をめぐる民事訴訟が増えれば、裁判所の負担や州のコストが膨らむ可能性も指摘された。
世界において、「常識」や「倫理」についての共通認識がこわれつつあるなか、「ペットの見た目を変えるために、どこまで遺伝子操作を認めるのか」という問題が深刻化している。
「光るウサギ」や「ユニコーン」のような、これまで想像の世界だったペットを本当に作ってしまうのか。何が許されて何がダメなのか。デザイナーペットをめぐる議論は今後も続きそうだ。
関連URL: California Tried to Stop Selling Genetically Engineered ‘Unicorns’








