「51」という一風変わったタイトルは、51gという超未熟児で生まれた主人公パンダ「51(ウーイー)」の名前だ。小さく生まれ大きく育つパンダとはいえ、健康体の兄パンダや、同時期に生まれた従兄弟たちが100~150gで生まれたことと比べれば、ウーイーがいかに小さくひ弱かわかるだろう。
計300時間を越える記録映像をもとに制作された本作は、中国四川省成都にあるパンダ研究基地で生まれた未熟児ウーイーの成長期を軸に、同施設で生まれた他の子パンダや、彼らを産んだ母パンダたちの物語を描く。
どうも「かわいい」というイメージばかりが先行しがちなパンダだが、この映画で彼らが見せる姿はもっと豊かで、もっと奥深い。
育児をうまくこなせないことにひどく落ち込む若いメスパンダの姿や、母親に苛立ちをぶつける反抗期のウーイー、ぬいぐるみのようにかわいかった子パンダから大人のオスに成長しつつあることを象徴する、兄弟同士の激しいケンカ。
いずれの映像も、今まで見たことがない「ジャイアント・パンダ」という生き物の素顔と、1頭1頭の個性を鮮やかに映し出す(とはいえ、やっぱりかわいいんだけど)。
奇しくも、「ランラン」「カンカン」の2頭のパンダが初来日してから、今年でちょうど40年。その当時よりは珍しさも薄れ身近な存在になったパンダだが、本作は「動物園の人気者」や「絶滅危惧種の象徴的存在」というアイコンとしてではなく、彼らがとても魅力的な“野生動物”であることを、あらためて教えてくれるはずだ。
映画『51(ウーイー) 世界で一番小さく生まれたパンダ』は2月11日(土)より、ユナイテッド・シネマ、新宿武蔵野館 ほかでロードショー。
ワールドペットニュース
映画 『51(ウーイー) 世界で一番小さく生まれたパンダ』 明日公開
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