舞台となったのは、米インディアナ州インディアナポリスの動物愛護団体「リテイルズ(reTails)」の動物保護センター。先週14日、同州ニューキャッスルのアニマルコントロール(※)から、新たに2匹のレスキュー犬を迎え入れたのが、始まりだった。
2匹に関する申し送りでは、いずれもマイクロチップは未装着とされていたのだが、リテイルズのスタッフは、念のため再度スキャンをしてみることに。すると、「ハーポ」と仮名がつけられたシー・ズーに、マイクロチップが入っていることがわかった。
ハーポを連れてきたアニマルコントロールの施設では、動物を保護した際にはまずしっかりとマイクロチップの有無を調べることをリテイルズのスタッフも知っていたため、申し送りの情報が誤っているケースは、非常にまれで驚いたという。
その結果、ハーポの本名は「バンディット」で、登録住所は同州グリーンフィールドであることが判明した。スタッフは早速登録データをもとに連絡を取ることにしたのだが、元の飼い主が移転後にマイクロチップのデータを更新し忘れるケースが多いため、すぐに飼い主につながる可能性は低いだろうと、あまり期待はしていなかった。
ところが、電話に出た男性に犬についてたずねたところ、受話器の向こうで息を飲む音が聞こえ、「愛犬が行方不明になっている」と震える声で告げられた。しかも、なんとその犬がいなくなったのは、もう5年も前のことだという。
マイクと名乗るその男性(名字不明)によれば、バンディットは5年前、自宅の裏庭からいなくなり、見知らぬ男性に車で連れ去られるところを目撃されたのを最後に、行方不明になっていたのだとか。
うまいこと連絡が取れると思っていなかったのに、いきなり飼い主につながったうえ、そんなに長いこと行方不明になっていたと知り、スタッフは驚きを隠せなかった。しかも、マイクさんが暮らすアパートは、施設からほんの数マイルしか離れていないことがわかり、さらにビックリ。
この電話から10分後、マイクさんとバンディットは超スピード再会を果たす。その模様はYouTubeで公開されているのだが、腕のなかで安心しきった表情を見せるバンディットをしっかりと抱きしめ、頬を寄せるマイクさんの幸せそうな姿は、本当に感動的だ。
もしスタッフがスキャンをしなかったり、マイクさんの連絡先が変わっていたら、彼らは再会できなかったかもと思うと、時期が時期だけに“クリスマスの奇跡”と言いたくなるのもわかる。リテイルズではほんの1週間前にも、8ヶ月ぶりに愛犬と飼い主が再会を果たしたばかりだというから、なおさらだ。
クリスマスまで、あと1週間。今、離ればなれになってしまっている飼い主とペットたちにも、マイクさんとバンディットのような奇跡が起きてくれるとよいのだけど。
※動物関連の事案を取り扱う公的機関
関連URL: リテイルズ 関連記事(英語) YouTube 「Bandit is reclaimed by his owner after being lost for 5 years!」