今年9月に施行される改正動物愛護管理法に合わせ、同省では平成26年から平成36年までの10年間に実施する、動物愛護関連の施策に対する基本指針など、必要な告示の見直しを実施しており、先に行われた中央環境審議会動物愛護部会において、改正案が取りまとめられた。今回パブリックコメントが求められているのは、下記の7件。
・動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針
・家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
・展示動物の飼養及び保管に関する基準
・実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準
・産業動物の飼養及び保管に関する基準
・動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置について
・犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について
上記改正案では、全体的に「終生飼養」や「災害時の対策」などに関する記述が重点的に追加された印象だ。また、多頭飼育崩壊などの事例を踏まえ、ケガ・病気の放置や、糞尿・動物の死骸が放置された環境での飼育などが虐待にあたる可能性を示唆する記述が盛り込まれたり、地域猫問題に言及するなど、動物を取り巻く昨今の状況を踏まえた、より具体的な内容となっている。
また、改正動物愛護管理法では相当な事由がない限り、行政は動物の引き取りを拒否できるようになることを受け、今回の基本指針の改正案では、平成35年度までに全国の犬・猫の引き取り数について、平成16年度(約42万頭)比75%減となる、おおむね10万頭を目指すことが明記されている。
さらに、同省では上記内容に加え、動物愛護管理法に基づき指定されている特定動物の種の追加や、分類の整理などに対する意見募集も同時に実施する。新しく特定動物に追加されるのは「ボネリークマタカ」「クマタカ」など5種で、指定後にこれらの動物を飼養・保管する場合は、都道府県知事の許可が必要となる。
いずれのパブリックコメントも、募集期間は6月13日(木)から7月12日(金)までで、郵送・ファックス・メールのいずれのかで受け付けている。詳細は同省公式サイトなどに掲載されている各意見募集要項を参照してほしい。
関連URL: 環境省 関連報道発表資料 (動物愛護管理基本指針 改正案など) 環境省 関連報道発表資料 (特定動物関連)