発表内容によると、ペットまわりの布製品には、飼育環境により多くの菌が付着していること、さらに、感染症の原因となる病原菌も検出されることが確認されたという。
一般家庭を対象に行われた調査では、室内飼育している犬にタオルを、猫に保温性マットを配布し、普段ペットが常駐している場所に敷き、2週間および4週間使用してもらったのちに回収し、菌数を測定した。
その結果、ペットの腹部や四肢との接触時間が長い箇所のサンプルほど、ペットを飼っていない生活環境レベルを上まわる菌数が検出される傾向にあることがわかった。その差は、100倍から1000倍もの菌数にのぼるケースもあったという。
さらに、サンプルからは、ペットから人への感染症の原因となるパスツレラ菌や大腸菌のほか、アレルギーの原因となる真菌(カビ)も検出された。パスツレラ菌は犬や猫の口腔内に常在し、傷口から感染した場合に、患部が著しく腫れ化膿したり、肺炎を起こすこともある菌として知られている。
ただし、多くの菌数が検出されたペット用マットを洗剤で洗濯した結果、洗浄前と比較し、洗浄後の菌数が1/100~1/1000まで大きく減少することが確認されたという。ペットまわりの布製品は、こまめに洗濯をすることが感染症リスクを軽減することにつながるようだ。
同社はこの結果を受け、「特に免疫力の弱い乳幼児や高齢者がいる家庭では、菌が多く付着した布製品から、菌がヒトに日和見感染するリスクが懸念されるため、飼育環境を衛生的に保つことが重要」とし、今後もペットオーナーに対し、ペットまわりの布製品は小まめに洗濯して、清潔な状態を保つことが重要であることを情報発信していきたいとしている。
この研究に関する内容の一部は、2月7日から9日まで開催された「日本獣医内科学アカデミー 第10回記念学術大会」で発表された。
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