子犬の頃から大切に育ててきた柴犬のバクスターを残してアフガニスタンに赴任しなければならなくなった米軍兵士のロバート・ガバートは、大切な愛犬を当時つきあっていた恋人に預け、無事帰国することを誓い旅立った。危険な戦地で、ガバートの心を休めるものはたくさんのバクスターの写真。バクスターは彼の背中に飛び乗ることが大好きで、寝食を共に過ごした二人は大親友だった。

　しかしある日突然、恋人は預かっていたバクスターの面倒をみることができないと連絡してきた。一度目の赴任の時はバクスターを父親に預けたガバートは、すぐ父親に連絡し引き取りを依頼。彼女には父親の携帯番号を知らせた。しかし、彼女から父親に連絡が入ることはなく、しばらくするとバクスターがネット上で売りに出され、恋人は姿を消してしまったことがわかった。

　悲しみで落ち込んでしまったガバートだが、彼はすぐさまFacebookなどのSNSを通じ、バクスターの追跡を開始。この哀しい出来事を読んだ多くの愛犬家たちはガバートに協力し、情報を集めた結果、バクスターはコロラド州に住む家族に買い取られていたということが判明した。ガバートはその家族に事情を話し、「バクスターを返してほしい」と頼んだのだが、「子どもたちがとても懐いているので、もう返すことはできない」と断られてしまった。

　しかしガバートの熱心さと、売られてしまった経緯がネット上で話題になると、その家族はバクスターの返却に同意してくれた。ガバートの父親は、その家族に購入代金を返却し、子どもたちには「別の犬を探してほしい」と頼んだという。

　犬を返却した家族は、「そんな事情で手放された犬とは知らなかった。申し訳なく思っている。だが、子どもたちが犬のことを大変好きになっていたので、すぐに返却できなかった」と詫びた。

　犬を売った彼女はどこに消えてしまったのだろうか。面倒をみるのがいやだったのか、それともお金を得たかったのか？

　なんにしても、一件落着したガバートはバクスターに会える日を楽しみにしながら、赴任先で任務に励んでいるという。

関連URL: Mail OnLine Baxter's back!（英語）