同電鉄の小嶋光信社長は、美人画だけでなく、数多くの猫が登場する作品を残した画家・竹久夢二(1884~1934)の作品約3000点を所蔵する「夢二郷土美術館」(岡山県)の館長も務めており、「夢二の作品がたま駅長誕生のルーツ」と話す。元は犬好きで、三代にわたって真っ白な紀州犬を育てている小嶋社長は、10年前の夢二生誕120年の時に、夢二芸術を子どもたちに伝えるため、子どもが興味を持つ「猫」をサブテーマにした。その時に夢二の猫版画を通じて、社長自らも猫にも興味を持つようになったという。
今回の「夢二の猫版画」展には、たま駅長のキャラクターや和歌山電鐵の電車や駅舎のデザインを制作したデザイナーの水戸岡鋭治さんが、夢二の描いた猫を「たま駅長」に変えたイラストを披露するなど、会場レイアウトを担当した。
展覧会には、鏡をのぞき込んだり女性とくつろぐなど、日常の猫のしぐさを切り取った夢二の挿絵を復刻した猫版画のほか、夢二のイラストをまとめた貴重な豆本などの資料が展示されている。入場は無料。
関連URL: たま駅長を生んだ「夢二の猫版画」和歌山電鐵株式会社