アメリカの航空便に乗ったときに、珍しい動物を見かけた経験が過去にあるかもしれない。
カンガルー、七面鳥、ポニー... あなたの隣に座るにはちょっと大きすぎて困るだろう。
なんでこんなことが起こるのか。
アメリカでは不安症状や鬱病をもつ搭乗客の精神安定のために、ペット同伴での搭乗が認められている。そのペットは犬や猫に限られない。
「精神安定のためのペット」は障害者の介助犬とは違い、飼い主の心のサポートになる動物全般を指す。
昨年アメリカのユナイテッド航空では、「精神安定のためのペット」の搭乗リクエストが75%増加し、7万6千件にも達した。
さすがに孔雀の搭乗リクエストは、その大きさと体重が規格をはるかに超えるため断られたそうだ。持ち込める動物の制限は年々厳しくなり、ユナイテッドはカエル、ハリネズミ、ヤギといった動物も禁止した。
今年はついに持ち込める動物は犬、猫、ミニサイズのポニーのみに限定し、持ち込む場合は医師が記入した書類(精神病のため患者はペットとの搭乗が望ましいという旨が書かれた書類)の提出を義務付けている。
そして持ち込むペットは小さく、しつけがされていることが前提で、渡航中は座席に座らない、テーブルのトレーで飲食をしないといったルールもある。
イギリスではどうだろうか。介助犬は認めているが、精神安定のためのペットはまだ法的に認識されていない。イギリスを行き来する他国の航空会社は違うルールがあるだろうが、イギリスの航空会社はまだ慎重な構えである。
しかしイギリス国内でも精神安定のためのペットの搭乗リクエストは増加しており、法律変更を求める声が後を絶たない。
まずは猫と犬の搭乗を認めるべきだと言われているが、すでにフェレットやスナネズミ、羊、馬、オウムといった珍しい動物のリクエストが届くなか、安易に門戸を開けない理由もわからなくない。
関連URL: How are emotional support animals allowed on flights?