ウクライナのサーカスで10年間働かされていた熊のジャンボリーナが自由のない職場からついに解放され、スイスの動物保護施設へ送られることになった。
コロナウイルスのパンデミックによってサーカスが閉鎖になって以来、11歳のジャンボリーは何ヶ月も檻に閉じ込められていた。その檻はあまりに小さく、彼女は立ち上がったり体勢を変えたりすることさえできなかった。
国際動物愛護団体である「フォー・パーズ」は「アロサ・ベアー・サンクチュアリー」と協同し、孤独で劣悪な環境で暮らすジャンボリーを救うプロジェクトを計画・実行することにした。
彼らはジャンボリーを安全にスイスへ移送するため、ポーランド、ドイツ、を経由する4日間の旅程を組んだ。
「熊を4カ国をまたいで移送するだけでも大変なのに、コロナ渦のなかでそれを行うのは大きな挑戦だった。ジャンボリーの体調に留意しながら、輸送手続きに必要な大量の書類を準備しました」と愛護団体の担当者は振り返る。
4カ国を渡って無事にスイスに入国したあと、ジャンボリーは雪山に架かる空中ケーブルカーに乗って山の上へ上がった。さらにスノーグルーマーと呼ばれる雪ならしに使われるトラックに牽引され、12月11日にやっと終の住処となるサンクチュアリーに到着した。
ジャンボリーはサンクチュアリーのスタッフたちに温かく迎えられ、新しい生活をスタートさせた。長年のサーカスでの生活で彼女の健康状態は悪化しており、爪もひどく傷ついた状態になっている。サンクチュアリーのチームは彼女が新しい環境に慣れるまで他の熊から隔離させ、注意深く観察と治療を行う予定だ。
「適切な食生活をすることで冬眠のリズムに慣れていき、熊本来の本能を取り戻してくれたら」とチームは願っている。
関連URL: Circus Bear Living in 'Tiny Cage' Rescued and Brought to Swiss Sanctuary: 'A New Start in Life'