秋が深まり夜も少しずつ冷えるようになってきた。ペットの猫や犬が自分のベッドの布団に潜りこんでくるという飼い主も少なくないだろう。
人に寄り添って寝たがるペットは単に暖かさを求めているだけでなく、飼い主に対して高い信頼と強い絆を持っている場合が多い。
人間とのつながりの強いペットはオキシトシンやドーパミンといった幸せホルモンが増加して健康促進にもつながる。つまり人と一緒に寝ることはペットにとって良いことしかない。
では人間はどうだろうか?専門家たちはこれまで悪影響の方を強調してきた。そのひとつが睡眠の質低下だ。
一緒に寝た経験のある人はわかるだろうが、犬や猫の睡眠は安定しておらず、夜中にゴソゴソと起きて動き回ったり鳴いたりするのでその度に眠りを妨害されてしまう。そうしたぼんやりとした目覚めが繰り返されると深い眠りにつけず、ストレスホルモンを刺激して余計不眠になる恐れもあると、ジョンホプキンス大学で神経学と予防医学専門とするポロツキー氏は指摘している。
しかし良い面もあると反論するのは、サウザンカリフォルニア大学で睡眠専門家として活躍するダスガプタ氏。鬱や不安を抱える人にとってペットと一緒に眠るのは精神安定につながる。ペットは抱き枕やブランケットのような存在でふわふわした手触りも不安を和らげる効果があるという。
過去の実験結果では、同じ寝室でペットと寝ている飼い主の半数以上は「ペットを邪魔だと思わない」「よりよく寝られる」と答えたそうだ。しかし、被験者の20%は眠りが悪くなったと答えている。
そのほかの実験では、犬と一緒の部屋で寝ても十分な休息が得られるが、犬が床ではなく同じベッド上で寝ると眠りの質が低下したと感じる人が多かった。
子供を対象とする実験では、ペットと一緒に寝てもとりわけ眠りの深さに影響はなかったようだ。
こうした結果から、ペットと一緒に寝ることは必ずしも悪いことではない。ペットによってよく動き回るタイプ、一晩中静かに寝るタイプがいるし、人間も眠りの浅い人、物音に関係なくぐっすり眠れる人など様々だ。
ペットのせいで眠れない人は、心を鬼にして部屋を分ける、あるいは部屋は同じでもベッドは共有しないなどの工夫をした方がいいだろう(ペットがその案を認めるかどうかはわからないが…)。
関連URL: Sleep with your pet? How that may affect you (and your pet)