熱帯雨林や海に生息する野生動物のなかには、何らかの理由で病気やケガを負ったり、幼いときに親を失ったりしてしまうものがいる。そうした動物たちを一時的に保護し、野生に戻す手助けをする団体は世界中に存在する。
今回動画とともに紹介するのは、コスタリカで活躍する野生動物保護団体「ジャガー・レスキューセンター」。彼らは中南米に生息する野生の猿やナマケモノなどの哺乳類、鳥、爬虫類の保護をしている。
団体が撮影したわずか40秒の動画には、人が片手で持てるほどの小さなナマケモノの赤ちゃんとその母親が映っている。
5月10日、団体のスタッフはビーチ近くの地面にその赤ちゃんが落ちて泣いているのを見つけた。すぐ上の木に母親を見つけたが、人間を警戒してか母親は巣に逃げてしまった。スタッフは念のためその赤ちゃんをオフィスに連れて獣医に健康状態をチェックしてもらったが、異常は無くケガもしていなかった。
スタッフはその赤ちゃんの鳴き声を録音し、母親が生息している木の近くで再生してみた。辛抱強く待っていると、ゆっくりと母親がやってきて木の下の方へ降りてきたではないか。スタッフが赤ちゃんを母親の方へ差し伸べると、母親は無言でじっと見つめながらゆっくりと我が子を自分の胸へ抱きよせた。
そのスローな動きの一瞬一瞬が美しく、観ているとじんわりと胸が温かくなる。子を抱えてまた木の上へ戻ろうとする母親の表情は安堵と幸せでにっこりと微笑んでいるように見える。
録音したナマケモノの子供の鳴き声を再生して母親を呼ぶ方法は団体が数年前に始めた。非常に効果的で親子の再会場面では必ずこの方法を使うそうだ。
放っておいたら失われてしまう命が、保護団体の努力でこのように助かっている。特に動物の家族が再会するシーンは私たちに感動を与え、生物や自然環境保護の大切さを教えてくれる。
ワールドペットニュース
はぐれた子供のナマケモノが母親と「ゆっくり」と感動の再会
海外