イギリスに住むテレサさんはコーンスネークを親戚から譲り受け、ペットとして4年間飼育してきた。しかし、世界中で歯止めが効かなくなっている価格高騰の影響を受け、これ以上ヘビを飼い続けることはできないと苦渋の決断をした。
イギリスではエネルギーコストが上がり続け、テレサさんの1か月の電気代は約3300円も値上がりしている。ヘビを飼育するには24時間ヒートランプを点灯する必要があり、そのコストが彼女の財布を苦しめているのだ。
テレサさんは泣く泣くヘビを爬虫類の保護施設へ引き渡すことにしたのだが、彼女のように飼えなくなったペットの爬虫類を施設に持ってくる人が急増している。施設長のクリスさんは、2022年の3カ月間に持ち込まれた爬虫類の数が、2021年全体の数をすでに上回っていると危機感を募らせる。
飼い主が手放す理由として80%を占めるのは経済的なもので、ランプやヒーター使用による電気代や餌代を払う余裕がなくなったためだ。餌も生きた虫などをペットショップで買って与えないといけないのでコストがかかる。
施設はすでに受け入れる爬虫類の種類や数を制限しており、これ以上増えて世話ができなくなる事態を恐れている。
温暖な国を原産とする爬虫類は寒さや湿気に耐えることができない。保護施設に断られたからと言って飼い主が無責任に外に逃したとしても野生で生きていくのは難しいし、仮に生き延びた場合は生態系に悪影響を与える恐れもある。
現在保護施設は通常の電気ではなくコストの低い代替エネルギーを探しながら運営をしており、飼い主に対してはヒーターやランプは中古の機器を買って節約する方法もあるとアドバイスしている。
ペットたちがインフレの被害者となっている現実は非常に悲しい。飼い主の困窮度はそれぞれ違うだろうが、コスト減のために無責任に切り捨てるべきではないだろう。
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