
5年前、保護犬の里親になろうとシェルターを訪れたチャルハブさん。お目当ての犬と対面したもののなぜかピンと来ず、代わりに紹介されたのがボクサー犬のマーサだった。
マーサは愛想がなく感情を見せないため、シェルターで一番長く住んでいる犬だった。どうやらシェルターのスタッフは、チャルハブさんが「マーサよりはマシだろう」と思って最初のピンとこなかった犬を引き取ってくれると期待していたのだ。
無愛想なマーサだが、驚いたことになぜか初対面のチャルハブさんをひと目見て信用し、膝の上に乗ってきた。そのときチャルハブさんは「この子は私の犬だ」と確信して里親になった。
新しい家でマーサは人にすぐ慣れるようになったものの、他の犬や動物に対してはまだ問題を抱えており、どう接していいかわからず攻撃的になってしまうこともあった。
そんなある日、公園にいたマーサはリスが遊んでいるのを見ようと、ある木の前で立ち止まった。
「マーサはリスを追いかけず、ただ見ているだけでした。どういうわけか、彼女は完全にじっとしていればリスが逃げないことに気づいたんです。それから彼女は決まった木の根元でまるで彫像のように座り始めた。するとリスたちはマーサに会いに降りてきて、彼女の前足にキスをしたり、一緒に遊んだりするようになったんです」。
チャルハブさんはそんなマーサを見守りながらー緒に座り、その1本の木のそばで何時間も過ごしたと言う。
それから5年間、マーサとチャルフブさんは毎週末にリスの木を訪れてリスたちと交流している。マーサはこの木にいるリスのことしか気にかけず、裏庭や公園のほかの場所にいるリスを見ても、まったく興味を示さないそうだ。リスもマーサにだけ心を許しているようで、両者には説明できない特別な絆があるように思える。
すばらしいことに、マーサはリスと交流を重ねるにつれて他の動物へと社会的な輪を広げられるようになり、はじめての犬友を作ることに成功した。
2020年、キャリという名のジャーマン・シェパードが、リスと触れ合うマーサを観察し始めた。彼女はマーサから30フィート離れた場所に座り始め、時間をかけてどんどん近づいていった。
今では、キャリとマーサは一緒に散歩したり、放し飼いで遊んだりしている。犬たちの友情はマーサのお気に入りの木の下で育まれ、そんな2匹を今日もリスたちが木の上からあたたかく見守っている。
関連URL: Grumpy Dog Had No Friends Until She Met A Squirrel In The Park