
ニュージャージー州のブレアズタウンで老夫婦が野良猫に襲われる事件があった。
老夫婦は過去数年間にわたってその猫に餌をあげていたが、猫が突然凶暴化して2人に襲いかかってきた。
通報を受けた地元警察が現場にかけつけると、猫によるケガとは思えない量の血が道路に残っていた。
その猫は顔面に大きな損傷の痕跡があり、鼻腔が露出した状態だった。検査官に異常なまでの攻撃性を示していたことから、検査をしたところ狂犬病検査で陽性反応を示した。突発的で極端な攻撃性と方向感覚の喪失は、いずれも狂犬病ウイルスの症状である。
全身をひっかかれてケガを負った夫婦は自ら車で地域の病院へ行き、傷の手当てと狂犬病予防接種を受けたという。すぐに処置を受けたため大事にはいたらなかったが、警察署長は、「裏切られたことによる精神的ダメージの方がさらに大きいかもしれない」と話す。
悲しくも、夫婦を襲った猫は安楽死処分された。足を骨折しながらも最後まで検査官を攻撃しようとしていたようだ。
自治体警察はこの事件を受け、「狂犬病注意報」を発令した。そして住民に対し野良猫への餌やりには「注意を払う」よう呼びかけ、猫の餌を屋外に一晩中放置しないよう警告した。
米国疾病予防管理センター(CDC)のウェブサイトによると、「狂犬病は米国ではコウモリ、スカンク、アライグマ、キツネから最も頻繁に検出される。感染した動物の咬傷や引っかき傷を通じて人やペットに感染する。狂犬病は主に中枢神経系に影響を及ぼし、症状が現れる前に医療処置を受けなければ重篤な脳疾患を引き起こし死に至る」。
日本では狂犬病の発生はないが、海外では病気をもらってしまう危険はある。野生で生きる動物に安易に近づいたり餌をやったりしないことが大切だ。








