
人生はおもしろいもので、最悪な出来事がきっかけとなって、思ってもみなかった幸せをつかむことがある。
イギリスに住むこの猫もまさしくそんな経験をし、4年ぶりに飼い主と再会することができた。
3月15日、RSPCA(英国を拠点とする動物保護慈善団体)は、猫の救出を依頼されて出動した。通報したのはキャサリン・エドワーズさんで、彼女は自宅の壁と別のレンガ壁の間の狭いすき間にはさまった猫を発見した。そのすき間の幅はわずか10センチだった。そこに見ず知らずの猫がはさまって身動きがとれなくなっていたのだ。
RSPCAのスタッフ2人は現場に駆けつけ、猫をひっぱり出そうとしたが無理だった。消防救助隊も加わり、5時間にわたってポールなどいろんな手段で引き上げを試みたがすべて失敗。
チームは最後の手段として、猫に鎮静剤を注射し脱力した状態にしてから、協力して持ち上げることで救出を試みた。困難だったのは、狭い空間で鎮静剤が猫の呼吸に悪影響を及ぼさないよう、救助隊が迅速に行動しなければならなかったところだ。
動物救助隊員のモーガン・エリソン氏は「3人で力を合わせて引き出す必要がありましたが、まさに奇跡的に、猫は無傷で救出されました」と語った。救助隊員たちは、この猫が屋根から落ちて壁のすきまにはさまってしまったとみている。
ただ話はこれで終わりではない。猫が救出されると、RSPCAのスタッフはマイクロチップの有無を確認した。同団体が確認したマイクロチップにより、この10歳の猫の名前がアルフィーで、行方不明になってから4年近くが経過していたことが分かった。
アルフィーの飼い主に連絡をしたところ、飼い主のマンディ・デイヴィスさんは、愛猫の発見に驚きと喜びを隠せなかった。彼女は2022年7月に旧居から引っ越す際に、アルフィーを見失っていた。
「RSPCAから電話があって、アルフィーが保護されたと聞いたときは、正直信じられませんでした。しかも、家からたった2本先の通りで発見されたなんて!今でもまだ夢のようです。正直、もう二度と会えるとは思っていませんでした」と、デイヴィスさんは語った。
「アルフィーが家に帰ってきて、私たちはみんな大喜びです。彼はほとんどいつも、娘のベッドの上で丸くなって寝ています。まるで一度も家を出ていなかったかのようです」。
屋根から落ちて壁にはまり、人間たちにひっぱり出されるという、猫にとっては最悪な出来事だっただろう。しかし、そのことも過去4年間の野良生活もすべて水に流し、ベッドの上でくつろいでいるアルフィーがなんだかとても愛おしく感じられる。








