
ゴールデンレトリバーのマヤは、はじめてガチョウの赤ちゃんたちに出会った瞬間、この子たちの母親になると決心したようだった。
ある日、マヤの飼い主家族が自宅の裏にある池のほとりを歩いていると、ひとりぼっちになっているガチョウの赤ちゃんたちを発見した。最初に気づいたのは、ゴールデンレトリバーのマヤだった。
「ねえ、助けが必要な子たちがいるよ!」
そんなふうに家族に知らせるように、マヤは赤ちゃんたちのもとへかけよった。
家族はしばらく親ガチョウが戻ってくるのを待ったが、いつまでたっても現れない。どうやら、本当に赤ちゃんたちは取り残されてしまったようだった。
そこで家族は、ガチョウの赤ちゃんたちを家に連れて帰ることにしたのだが、マヤはあっという間に赤ちゃんたちのとりこに。まるで自分の子犬であるかのように、いつもそばにいて世話を焼く。すっかり「ガチョウのママ」になってしまったのだ。
庭に赤ちゃんたちだけを出しておくことも、マヤには許せなかったらしい。どこへ行くにもついていき、危険がないかしっかり見張っていた。
もちろんたまにはハメを外し、こっそりガチョウの赤ちゃんを家のプールに誘い込んで一緒に泳ぎを楽しむこともあった。
そして赤ちゃんたちが成長すると、マヤはガチョウたちが自立して生きていくために大切なことを教え始めた。それは飛ぶことだ。
それはただマヤが3羽を追いかけて遊んでいただけかもしれないが、ガチョウの赤ちゃんたちが飛ぶ練習をすると、マヤも後ろから一緒になって走り回った。まるで「ほら、がんばって! 飛べるよ!」と応援しているように。
やがて赤ちゃんたちはすっかり大きくなり、庭を自由に行き来するようになった。それでも、彼らが戻ってくるとマヤは庭を走り回るほど大喜びして迎える。
秋になるときっとガチョウたちは南へと移動し、また次の春に戻ってくる。長い別れがあることをマヤはまだ知らないだろうが、季節をこえてまた家族として再会できることをマヤの家族は楽しみにしているようだ。








