暮れも押し迫った昨年12月30日、FSPCAのスタッフが受付に置かれたダンボールを見つけた。メディアの取材に対し、FSPCA代表マーゴット・バードさんは「最初は、誰かが支援物資を届けてくれたのだろうと思った」と語ったが、ガムテープでしっかり封をした箱のなかから聞こえたのは、かすかな鳴き声だった。
慌てて箱を開けてみると、なかには2匹の猫が。中身はペットフードか何かだろうと思っていた彼らにとってはそれだけでも十分ビックリだろうが、さらに驚いたことに、そのうちのオス猫のほうが、とんでもない巨漢猫だったのだ。
ひとまず2匹とも元気な様子だったが、オス猫の体重を量ったところ、なんと30.2ポンド(約13.7キロ)もあることがわかった。正常な成猫の3倍の体重だ。数多くの猫を保護してきたバードさんたちでさえも「ここまで大きな猫は今まで見たことがないわ」と語る。
「やせますように」の願いを込めたのか、仮名を「タイニー」(Tiny:“すごくちっちゃい”の意)とつけられた巨漢猫は、即獣医師監修のダイエットプログラムに取り組むことになったのだが、ダイエットフードを受け付けず、思いのほか急激に体重が減ってしまったため、現在は一時預かり宅の落ち着いた環境で減量に励んでいる。
というのも、あまり急激に体重を減らすと、脂肪肝により肝機能障害を引き起こす可能性があり、危険なのだ。低カロリー・高タンパク質の食事と、レイザーポインターの光を追いかけさせるなどの適度な運動を組み合わせながら、負担のない減量を心がけているそうだ。
FSPCAのFacebookページによれば、17日に行われた体重測定でタイニーは3.1ポンド(約1.4キロ)の体重減だったとか。体重が正常に戻ったら本格的に里親募集を行うそうなので、この調子でダイエットに成功してほしいものだ。
ちなみに、タイニーとともに箱に入れられていたもう1匹のメス猫はいたって正常な健康体だそうで、「ラプンツェル」と名づけられ、まもなく始まる里親募集開始の日をシェルターの仲間たちと待っている。
FSPCAでは現在、タイニーが1ポンド減らすごとに任意の金額をドネーションしてもらう募金プログラム「Tiny's Weight Loss Challenge」を実施しており、彼のダイエットにかかる費用や、シェルターのほかの動物たちの医療費にあてるとしている。
関連URL: FSPCA Facebookページ 「Tiny's Weight Loss Challenge」 (英語) KCTV5 関連記事(英語)