全国のペットオーナー798名の回答をもとに行われたこの調査によると、被災地のペットオーナーを対象にした「震災後のペットの変化」についての設問では、65%が「何かしらペットに変化があった」と回答。もっとも多かったのは「音などに敏感になった」(38.3%)で、ついで「落ち着きがなくなった」(26.4%)、「そばを離れなくなった」(21.5%)と続いた。
犬・猫別に見ると、いずれも「音に敏感になった」がもっとも多かったものの、犬では「そばを離れなくなった」の割合が非常に高く27.3%だったのに対し、猫は「どこかに隠れて出てこなくなった」の割合が被災地全体(10.2%)、犬のみ(3.7%)の数値をはるかに超える25.6%にのぼり、動物種により災害時の反応が大きく異なることを示した。
また「震災時に困ったこと」の設問では、「ペットの異変・パニック」「避難時の困難」「帰宅困難」などの意見が上位を占めた。なかには「避難場所にペットを連れて避難できず、停電や断水のなか家にいた」や「断水の際、ペット用の水は給水担当者に拒否された」など、被災ペットへの理解が得られず苦労したオーナーのケースなども見られた。
逆に、「震災時にペットに関してやっていてよかったこと」の設問では、「ペットフード・ペット用品の買い置き」「誰かしらがペットと一緒にいた」などの意見が多く見られた。
今回の調査についてペット総研は、「日ごろ何気なく行っていた行動のなかに、震災時に役立つ“ペットの防災対策”が数多く見られた。ひとまず今できる最低限のことを実践するだけでも、災害時には大きな違いを生むのではないか」と分析し、今回の結果について「被災ペットやオーナーの体験から教訓を得ることで、ペットの防災対策につなげてほしい」としている。
関連URL: ペット総研 「ペットと東日本大震災」