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飼い主を列車事故から救い重傷を負ったヒーロー犬に援助の手を 米国

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 このニュースの主人公、8歳になるメスのピットブル「リリィ」の治療にあたっている、米ボストンにある「エンジェル・アニマル・メディカル・センター」公式サイトによると、事故が起きたのは現地時間3日深夜。

 貨物列車を走らせていた運転手がマサチューセッツ州シャーリーのとある踏切にさしかかったとき、不思議な光景を目にした。そこには、線路上に倒れた意識不明の女性を、踏切の外に引っ張り出そうと懸命にもがくリリィの姿があった。

 運転手は彼らを轢くまいと慌てて急ブレーキを踏んだが間に合わず、リリィをはねてしまったが、女性のほうはリリィのおかげで奇跡的に無傷ですんだ。

 女性はリリィの飼い主のクリスティン・スペインさん。スペインさんは長年重度のアルコール中毒に苦しんでいるそうで、リリィはそんな彼女をサポートするために、息子のデヴィッド・ランテーニュさんが3年前に連れてきたセラピー犬だという。彼らは友人宅から帰宅途中に事故にあったと見られている。

 車輪と接触したリリィは、救急搬送された同センターで診察を受けたところ、右前肢に手袋状剥皮創を負い、筋肉や皮膚がほぼそぎ落とされたような状態だったほか、骨盤の複雑骨折や内臓損傷など、かなりの重傷を負っていた。

 しかし、警察や消防隊が現場にかけつけたとき、リリィは自分の怪我を押して、意識のないスペインさんを守るように寄り添っていたという。

 リリィの右前肢の損傷はひどく、回復が見込めないことから肩から切断せざるを得なかった。現在手術を負えた彼女は同センターで治療を受けており、体力がある程度回復し次第、今度は骨折した骨盤の治療などを行う予定だ。

 治療にあたっている医療チームは、「リリィは非常に重傷で治療は長期にわたる」としつつも、「自分の身を投げうって飼い主を救った彼女の勇気には感銘を受けた。その強い精神力があれば、きっと回復するだろう」と公式サイトでコメントしており、これから長期にわたる彼女の治療費を援助してほしいと呼びかけている。

 リリィの治療を見守るランテーニュさんも、「この3年間、母とリリィは深い絆を築いてきた。母にとってリリィは人生のすべて。彼女を回復させるために、できる限りのことをしたい」と治療に意欲を見せている。

関連URL: エンジェル・アニマル・メディカル・センター 関連記事(英語)

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