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世界で初めてエベレストに登った犬は、元野良犬 米国

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 英「デイリー・メール」をはじめとするメディア各社によれば、話題の犬は、南アフリカ・ケープタウン在住のジョアン・レフソンさんの愛犬「ルピー」。彼は、世界で初めてエベレストに登った犬なのだとか。

 今年8月にレフソンさんが初めてルピーに会ったのは、インド最北部のラダックにあるゴミ投棄場だった。見るからに飢えていた彼は脱水症状に苦しみ、まともに歩けない状態だったという。そんな彼をレフソンさんは南アの自宅に連れ帰り、献身的に看病した。

 その甲斐あってすっかり回復したルピーだが、元気になった彼の姿を見てレフソンさんが決意したのは、世界一の山・エベレストの標高5300メートルに位置するエベレスト・ベースキャンプに登ることだった。一見突飛なアイディアに思えるのだが、実はこれには事情があった。

 レフソンさんは長年、先代の愛犬「オスカー」とともに世界中を旅し、その先々で情報発信することにより、新しい家に引き取られるのを待っている保護犬たちの実情を訴え、里親募集を支援する活動を行ってきた。

 元保護犬のオスカーが輝かしい活躍を見せることにより、保護犬の犬としての資質が純血種などに比べなんら劣っていないことや、彼と同じような境遇の犬の里親となることの素晴らしさを広めたいというのが、レフソンさんの考えだった。

 エッフェル塔や万里の長城など、有名観光地を巡る彼らの活動はマスコミの注目を集め、関連書籍が発売されるほどの人気ぶりだったのだが、今年1月、オスカーは自動車事故により残念ながら他界してしまったのだ。

 エベレストに登る計画は、もともと5月にオスカーとともに行う予定でいたもので、彼の死により頓挫していたのだが、新しい相棒のルピーがすっかり元気になったのを見て、レフソンさんはもう一度チャレンジしてみようという気になったのだという。

 出発前にルピーの健康チェックを行った獣医師は、もともと高地に住んでいたこともあり、彼が高山病にかかることはないだろうと太鼓判を押したが、まだ生後8ヶ月と幼いルピーの体力を心配したレフソンさんは、彼が疲れたときに背負ってもらえるよう専属のポーターまで雇い、万全の準備で臨んだ。

 しかし、そんな心配もどこへやら、ルピーは集団をひっぱる勢いで元気にトレッキングを楽しんだそうで、特に初めての雪の感触がとても気に入った様子だったとか。そして10月27日、カトマンズを出発して10日ほどで、一行は無事エベレスト・ベースキャンプに到着し、ルピーはエベレストに登った世界初の犬となった。

 ベースキャンプに到着した一行は、新しい家や家族を待っている世界中の保護犬や野良犬に、1日も早く安らかな日々が訪れるよう、オスカーに代わりルピーが持っていった、祈りの旗を捧げたという。

 この旅の様子を写真で紹介するオスカー公式サイト「Oscar World Woof Tour」は、「この挑戦は、オスカーの存在なくしては成功しなかった」と、彼の生前の功績を称えるとともに、「捨てられた犬もチャンスを与えられると、いかにすごいことをなし得るのか、この挑戦を通じてわかってもらえたと思う」とコメントしている。

関連URL: オスカー公式サイト「Oscar World Woof Tour」 (英語) ※画像あり デイリー・メール 関連記事 (英語)

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