ブラジル・サンパウロに住むルシア・ヘレナ・デ・ソウザさんは、大の動物好きで、自宅に多くの犬や猫を飼っている。そんなソウザさんが今から5年ほど前、お腹を空かせてさまよっていた犬を見つけた。彼女はその犬にリリカという名前をつけ、毎晩ご飯を与えるようになった。
毎日夜9時半頃になると、リリカはどこからともなくソウザさんの前に現れ、ご飯をねだる。しかし、いつからかリリカはご飯を食べ残し、それをじっと見つめるような仕草をするようになったという。その様子を見た近所の人から、「リリカが食べ物を持ち帰りたがっているのではないか」といわれたソウザさんが、食べ物を袋に入れ、口を縛ってリリカに渡したところ、リリカはそれをくわえて持ち帰るようになった。
リリカがどこにその食べ物を持ち帰っているのか、リリカの行動を追いかけた地元のニュース映像がYouTubeに投稿され、これを見たイギリスのデイリーメールが記事として配信し、世界中の人々の関心を集めることとなった。
ご飯をリリカに渡し、「気をつけて」と声をかけるソウザさん。リリカは交通量の激しい道路沿いなどを歩き続け、約6.4km離れた廃品置き場に入ると、ソウザさんからもらったご飯の入った袋を置く。すると、そこで生活している犬や猫、また鶏やラバまでリリカのご飯を食べに来ていたのだ。
この廃品置き場の所有者は、リリカは以前ここに捨てられた犬で、ソウザさんと出会った5年ほど前に8頭の子犬を産み、その時に食料を調達するために遠出するようになったのではないかと話す。リリカが自分だけ食べて満足するのではなく、他の動物たちのために食物を持ち帰っていたことを知ったソウザさんは、「他の動物たちにも食べ物を分け与えるのは、私たち人間にとっても学ぶべきこと」と話し、これからもリリカとの日課を大切に続けていくという。
関連URL: 「デイリー・メール」掲載記事(英語)