ガバメントクラウドファンディング(GCF)とは、政府や地方自治体が行うクラウドファンディングのこと。すべての寄付がふるさと納税の対象になる。プロジェクトオーナーはすべて自治体のため、安心して参加できることがメリットだ。
もともと神石高原町は、同町のNPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営する「ピースワンコ・ジャパン(PWJ)」とともに、犬の殺処分ゼロのための仕組みを構築してきた。殺処分前の犬や捨て犬を保護し、獣医師による診察や、ドッグトレーナーによるしつけの後、新しい飼い主を探す活動をサポート。神石高原町としては、すでに犬の殺処分ゼロを達成している。
しかし広島県全体で見ると、残念ながら2011年には犬猫の殺処分数でワーストを記録してしまっている。PWJは大きな目標をかかげた。まずは2016年までに広島県内の犬の殺処分をゼロに。そして東京オリンピックで世界中から人が集まる2020年までには、日本の犬の殺処分をゼロにする、というものだ。
この目標を達成するには、犬の養育費・医療費、施設の建設費、人件費などの多額の運営資金が必要になる。そこで神石高原町は、GCFという手法に着目した。株式会社トラストバンクが運営するふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を活用。ふるさと納税制度の使い道のひとつに、PWJの活動を指定できるようにしたのだ。結果として、目標の寄付金額を上まわる5553万3000円の資金調達に成功した。
「2020年まで日本の犬の殺処分ゼロ」を実現するには、継続的な活動が欠かせない。税金の使い道を、納税者自身の意志で選べる。このふるさと納税制度を活用して、今後も支援者に継続したサポートを求めていくそうだ。
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