デニーズは全米に展開するチェーンレストランだが、オレゴン州にあるこのデニーズはほかと少し違う。過去10年にわたり、1匹の捨て猫に愛情とケアを与え続けてきた。
10年前にふらりとデニーズにやってきたその猫は怯えて寂しそうな様子だった。店のスタッフは迷子猫だと思って餌と水をやったが、しばらくしてその猫は捨てられたのだと知った。
店の居心地がよかったのか、たとえ人が追い払おうとしても店の周りから離れたがらない。それならここに猫の居場所をつくってあげようと、スタッフと客は店のすぐ前に猫用のベッドや餌やり場、小屋などを設置し、猫を「デニーズ(あだ名はデンス)」と名付けて看板猫として可愛がった。
デンスは客ともすぐに仲良くなり、顔なじみの客には愛想よく足をスリスリ。食事をしながらデンスを眺められるダイニング席は店で一番人気の席となった。
寒い冬には客が次々と毛布をもってきて、ある客はデンスのために自宅にある温熱ランプを設置した。
デンスは獣医で定期検診を受けているのでいまも健康だが、高齢でもし何かあったら引き取りたいと言ってくれる優しい客もいる。
これまでの10年間で店のスタッフも客も変わっていったが、デンスだけは離れず、新しいスタッフや客に愛情を注がれながら店を見守ってきた。
「この地域に住む誰もがデンスのことを気にかけて、愛情を与えている。そしてデンスのすばらしいのは、与えられた愛をきちんと返してくれることよ。人々と動物の間、また人から人へとつながる美しい輪が広がっている。動物たちへのこうした親切心を、人同士でも与え合うことができたら素晴らしいと思うわ」と、デニーズの長年の客であるローラは語っている。
関連URL: Restaurant Does The Sweetest Thing For Lonely Cat Who Needed A Friend