オーストラリアのクイーンズランドやニューサウスウェールでの深刻な山火事によって、すでに350頭以上の野生のコアラが命を失っている。
そんななか、取り残されたコアラを1頭でも多く救うため、コアラの捜索に奔走している犬がいる。ボーダーコリーの「ベアー」だ。
ベアーはもともと動物収容所にいたところを保護され、サンシャインコースト大学で訓練を受けてコアラ捜索の任務についた。
ベアーはほかの犬と違って遊ぶことが嫌いで、強迫性障害という精神障害を患っている。それが原因で前の飼い主から捨てられてしまったのだが、彼の落ち着いた性格と優れた嗅覚は探知犬の仕事に非常に適していた。ベアーはコアラの排泄物だけでなく、その毛の匂いでコアラの居場所を探し当てられるオーストラリアで唯一の探知犬である。
11月にベアーは、山火事でもっとも被害の大きかった森の1つであるサンシャインコーストのコーロビアの森を捜索した。
その森でコアラは見つからなかったが、ベアーはニューサウスウェールズ北部のバリーナという街の近くの森にいるコアラの匂いを嗅ぎ当てることができた。
彼の貢献は11月22日に「WeRateDogs」という職業犬の活躍を紹介するツイッターアカウントで紹介された。
すると、それを読んだハリウッドスターのトムハンクスが「コアラの捜索犬ベアーの物語、すごくかわいらしいね。ディズニーの映画として作るべきだよ」とリツイート。
また、環境問題に関心の高いレオナルド・ディカプリオも「救急隊がコアラを捜索して無事に助け出すために犬達を訓練している。手遅れになる前にもっと多くのコアラが救われることを願います」というコメントを自身のインスタグラムに投稿した。
サンシャインコースト大学で探知犬の訓練に関わる研究者であるセリーン博士は、ハリウッドスターがベアーを取り上げてくれたおかげで、世界中の人が彼の重要な任務はもちろん、環境保全の大切さを知るきっかけになったと感謝の意を示した。
インターネット上でも応援の声が集まり、コアラ保全の支援が増えているようだ。
関連URL: Tom Hanks, Leonardo DiCaprio big fans of Bear the koala detection dog