カナダのカルガリー動物園で暮らす2匹のパンダ「アー・シュン」と「ダー・マオ」は、コロナウイルス感染拡大の影響で現在困難な状況に追い込まれている。
彼らが主食とする大好物の笹が不足しているのだ。動物園はこの2匹が食べる笹を中国から輸入していたが、コロナパンデミックによって輸送機が運休し、十分な量の笹を入手できていない。今のところはカナダ国内で生産される笹に頼っているが、それも9月で底を尽きる見込みだ。
もともとアー・シュンとダー・マオは、中国の「パンダ外交」の一環として2014年にカナダへやってきた。10年間のレンタル契約で2024年までカルガリー動物園にいる予定だったが、コロナによる笹不足を懸念して両政府は中国に戻そうと協議を重ねている。
しかし、2匹の中国返還さえもコロナのせいで足止めを食らっている。感染拡大を防止するために中国側の輸入法と検疫施設の規定が変更され、いまだに国際許可が発行されないのだ。
「許可の遅れによって、この2匹の美しいパンダたちの健康と幸せが脅かされている」とカルガリー動物園長も懸念を示している。
食べ盛りで1日に40キログラムもの笹を消費しているパンダたち。カナダ国内からの笹の供給が途切れる9月までに、彼らが無事に中国に帰れることを願いたい。
関連URL: Coronavirus: Canada zoo struggles to return pandas to China