イギリスに住む「カイ」という名前の雄のレトリバー犬が、飼い主と獣医を訪れたのは2019年のこと。そのとき飼い主の口から信じられない言葉が出た。
「太り過ぎてどうにもできないから安楽死させてくれ」と獣医に頼んだのだ。カイは78キロという超肥満体型で、自力で立つことも困難だった。飼い主はカイを「退屈したパンダ」と呼び、カイの肥満を自分自身の責任として捉えようとしなかった。
肥満という理由で安楽死はさせられないと獣医は断り、保護施設へ連れて行くことにした。そこでカイは彼の人生を変えてくれる心の優しい女性パムさんと巡り合った。パムさんはカイを見てすぐに好きになり、里親としてカイの健康を取り戻すと決心した。
カイはパムさんと二人三脚でダイエットを始め、食事制限に加えて水中ウォーキングなどのエクササイズに取り組んだ。歩くのも困難だったカイだが、次第にボールを追いかけて走ったり丸太を飛び越えられるようになった。
1年以上のダイエットのおかげでカイの現在の体重30キロで、48キロの減量に成功した。ダイエット前後の写真を見比べると同じ犬とは思えない。
適正体重に戻って心身ともに健康となったカイは認定セラピー犬となり、パムさんとともに病院訪問をして多くの患者を癒している。
飼い主の管理不足で肥満となり、命を落としかけたカイ。新しい飼い主と努力を重ねて健康を取り戻し、今では人々を救う立場になっている。パムさんはカイの経験を通して、決して諦めないことの大切さを伝えたいと感じている。
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