野生動物は自然の中で暮らすことが望ましいが、さまざまな理由で人間に保護されて育てられている動物もいる。その1匹が動画で紹介されているビーバーである。
2020年5月、生後3週の時に捨てられているのを保護され、現在は野生動物のリハビリ専門家であるナンシーさんの自宅で生活をしている。
ナンシーさんの飼育の目標は、ビーバーが野生に戻るための知恵やスキルを身につけさせることだ。自宅のお風呂で泳がせたり、木の枝を齧らせたりしているが、血が騒ぐのか、ナンシーさんが教えなくてもビーバーは本能的にビーバーらしいことをしている。動画では家の中にあるトイレの吸引カップや雑誌、おもちゃなどを一生懸命口でくわえて一箇所に集めている。これはビーバー特有の習性であるダム作りだ。頭のなかの構想を形にするために頑張っているけど、不器用でちょっとドジなところが可愛らしい。
彼の大好物はさつまいもで、輪切りにした生のさつまいもを両手で持って満足そうにかじっている。
ナンシーさんはビーバーが幼いうちから泳ぎを教え、今では自宅近くの川を潜れるようになった。冬には氷の張る冷たい川だが、ナンシーさんはビーバーに背中で氷を破って顔を出すスキルを教えている。
夜にはナンシーさんの腕に擦り寄って甘えているが、これも生きる上で大事なスキンシップ。ビーバーは家族単位で行動し、親子兄弟関係をとても大切にする生き物なのだ。動画では赤ん坊のような鳴き声を出しているが、この声は喜びを表現している。
まだ未熟で人間のケアが必要だが、近い将来自然に戻って仲間を見つけ、自活できる日がくることを願いたい。
ワールドペットニュース
本能は止められない。人間の家の中でダム作りに励むビーバー
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