アメリカのインターネットTVであるNetflixで、犬のしつけや訓練をテーマにした番組「Canine Intervention」が始まった。
この番組でドッグトレーナーとして登場するのはジャス・レヴェレットという男性で、カリフォルニアのベイエリアを中心にしてさまざまな犬の訓練を行っている。その多くは保護犬で、人の言うことを聞かず捨てられた犬もいる。
彼が訓練で使うテクニックはとても論理的かつ効果的で、アメリカだけでなく世界的に通用するとして、犬を飼っている人を中心に話題を集めている。
レヴェレット氏はどのように犬の訓練を成功に導くのか。その方法はいたってシンプルである。
彼は木材のパレットでできた、どこにでもある空箱を使ってトレーニングを行う。
まず初めに箱を地面や床に置き、犬に箱の上に乗って立つ・座ることを覚えさせる。新しいタスクやスキルを学ぶ際、箱の上に乗っているときはいつも集中してじっとしいなければならないと繰り返し強調する。
犬を何の目印もない床や地面の上でトレーニングをしていると、「あそこで待っていなさい」と犬に指示をしても、犬はどこに行けば良いのかわからない。
しかし箱を使うことで犬は視覚的に理解でき、箱の上にいるときは「ワークモード」、箱から降りたら「休憩モード」になると区別できるのだ。そして箱の上でじっと待っている時間長いほど、ご褒美をもらえるチャンスも増える。
慣れてくると、トレーニングを始めると犬は自分から箱の上に飛び乗る。箱は犬にとって安全で安心感を与える場所となり、トレーナーとの相互理解や絆を深めてくれる効果もある。
トレーニングを重ねるうちに犬たちの態度はみるみる変わっていき、最終的には箱がなくても指示通りに行動できるようになるそうだ。
シーズン1の最後のエピソードでレヴェレット氏は保護犬のトレーニングを行い、訓練を終えた犬たちが里親に引き取ってもらえるよう手助けをした。
レヴェレット氏は保護犬の施設と繋がりながら犬のトレーニングを行っているが、それだけでは不十分だと言う。施設にはあまりに多くの保護犬が収容されており、その環境が犬にとって大きなストレスとなっている。そうした環境を引き起こす社会的問題に私たちは取り組まなければならないと啓蒙している。
そして、できれば各施設に1人は犬のしつけ専門のスタッフを配置し、より多くの保護犬たちを引き取ってもらえるようにする必要がある。トレーニングを通して保護犬の根本的問題に向き合うレヴェレット氏に、これからも注目が集まりそうだ。
関連URL: ‘Canine Intervention’ Trainer Jas Leverette on His Box Method and Working With Rescues