アメリカ・ハクトウワシはその雄大な美しさと力強さ、長命であることから、米国を象徴する国鳥として愛されてきた。
しかし狩猟や農薬による生態系の破壊によって、1800年後半からその羽数は大幅に減少し、1994年には絶滅危惧種に認定されてしまった。政府はハクトウワシの羽数回復のため、DDTという農薬の使用禁止や保護活動に尽力してきた。
保護活動の甲斐あって、2009年以来ハクトウワシの数は4倍に増加した。アメリカ合衆国魚類野生生物局の報告によると、2019年の繁殖期には31万6700羽、7万1400羽のつがいがアメリカ48州で確認されている。
2007年の時点で絶滅危惧種からは外されたが、今でも「ハクトウワシ・イヌワシ保護法」によって守られている。
米国内務長官であるデブ・ハーランド氏は、ハクトウワシの増加に関する報告を受けてこうコメントを述べている。
「今日の報告はまさに歴史上重要なワシ保護のサクセスストーリーです。これは専門家チームの何十年もわたるデータの収集分析、羽数の集計といった地道な努力なくしてはできませんでした。
私たちは環境や次世代の人々の生活を守るという、一生に一度の機会を与えられていると信じています。しかしそれは私たちが力を合わせないと実現できません」。
国鳥のハクトウワシの保護を通し、多くの人が環境問題や動物保護に関心を持って行動を変えていくことが求められている。
関連URL: American Bald Eagles Come Back from Near Extinction, Have Quadrupled Their Numbers Since 2009