動物保護団体ASPCAによると、アメリカではコロナパンデミックの間に5世帯に1世帯がペットを飼い始めた。しかし悲しいことに、現在多くのペットたちが保護施設に返されているようだ。
ニューオーリンズの保護施設にいた生後7ヶ月の子犬のカレイドスコープもその1匹だ。
「この子は里親の家で24時間いつも誰かにかまってもらい、平日もずっと飼い主と一緒に過ごしていたの。でもロックダウンが明けて家族は外の仕事に戻り、1日の大半をひとりぼっちで過ごすことになってしまった。不安やかまってもらえない不満を行動にあらわすようになり、手に負えなくなった飼い主によって施設に戻されてしまったの」と施設のディレクターであるイングラムさんはその経緯を話す。
コロナ禍で引き取られた保護犬や猫たちが、里親の都合で無責任に施設に返されるケースが後をたたず、その施設には1日に10〜15匹のペットが戻ってくる。
ニューオーリンズに限らず、アメリカ各地が同じような問題を抱えている。せっかく引き取られたのにまた戻ってくるという現状に加え、里親になりたいと願う人の人数も減っているため動物たちは増える一方。施設内で抱えきれないほど増えると、最悪の場合はさっ処分となってしまう。
ASPCAは全米にあるネットワークを利用し、施設からあふれた動物をまだ空きのある他の州の施設へ送るなどの措置をし、1匹でも多くの動物の命を救おうと尽力している。
職場復帰などを理由にペットを手放さなければならないと考えているのなら、まずは近くのシェルターに電話をし、彼らがどういったサポートをしてくれるか相談すべきだとASPCAの職員は言う。
さらに「安易に手放すのではなくステイホームの時のルーティンをできるだけ続ける方法を模索してほしい。たとえば復帰後2、3週間はペットシッターに世話をお願いしたり、散歩をしてもらって犬のストレスを発散させるといったことを試すのも良いだろう。保護施設は動物の保護や世話のエキスパートなので、飼育が辛いと感じたら手放そうと決心する前に相談してほしい。ペットの健康管理から精神面のケア、しつけ、食事まで、あらゆる情報リソースやアドバイスを提供してくれるはずだ」と述べている。
引き取った後も、里親が保護施設とのつながりを保つことが飼育放棄の防止に欠かせないようだ。
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