「おやつはどこにもないよ」
「外は雨だから散歩はやめておこうね」
そうした軽い嘘で愛犬がほしいものを諦めさせようとしたとき、「そんなはずはないだろう」と言わんばかりに訝しげな目で見つめられた経験はないだろうか。
犬を飼った経験のある人はわかるだろうが、犬はとても人間を注意深く見ており、そう簡単に騙すことはできない。
実際にオーストリアのウィーン大学が7月に260匹の犬を対象に実験研究を行った。その結果、犬は人間のついた嘘を見破ることができ、その人間が誠実かそうでないかを見分ける能力もあると発表している。
実験ではまず、1匹の犬の前に知らない1人の人間が2つのボウルを差し出した。その人はどちらのボウルにおやつが隠されているかを犬に教えた。
次の実験では、同じように1人の人間が2つのボウルを差し出すが、その後もう1人の人間がやってきてボウルに入ったおやつを別のボウルにすり替えた。1回目では最初の人間はすり替えているところを見ているが、2回目ではその部屋から出て行って見ていないという設定にした。
その後、最初の人間が犬にボウルを差し出してどちらにおやつが入っているかを伝えた。しかし、おやつのすり替えシーンをその人が見ていなかった場合では、犬はその人の話を聞こうとしなかった。そして犬の半数はその人がおやつの入っていないボウルを指さして「こっちに入っているよ」と言っても無視をしていた。ほとんどの犬はその人間が嘘をついている、あるいは真実をわかっていないと理解していたようだ。
研究者いわく、過去に同じような実験を小さな子どもや猿、チンパンジーに行ったことがあるが、それら3つのグループは嘘をついている人間を犬よりも信じていたそうだ。
となると本当に犬は「人間の親友」と呼べるのだろうか?いや、それとも犬たちが私たちに嘘をついているという可能性も否定できない。
関連URL: New Study Says Dogs Can Tell When People Are Lying to Them