今年のはじめ、テキサスのサンアントニオ市の路上を2匹の大きな猫がふらふらと歩いていた。よく見るとそれは単なる猫ではなくトラだった。2頭は危惧種の動物にもかかわらず個人の家でペットとして飼われており、その家から脱走したところを保護された。
エルサ、インディアと名付けられた2頭はテキサスにある「クリーブランド・アモリー・ブラック・ビューティー・ランチ」という保護団体に引き取られた。その団体は1400エーカーの広大な自然あふれる敷地内で、クマやトラなど800頭近くの動物たちを保護している。そうした動物たちのほとんどは違法ペットトレードや虐待などによって苦しんだ経験を持つ。
ブラック・ビューティー・ランチはそうした動物たちができるだけストレスなく野生に近い環境で暮らせるよう、自由に歩き回れる広々としたスペースを提供している。
エルサとインディアはすぐに慣れ、木陰や草の上で寝転んだりしてくつろいでいる。2頭はブラック・ビューティー・ランチで初めて夏を迎えたが、彼らが大好きでたまらないのが水遊びだ。エルサはプールの中に体ごと浸かり、前足で水をパシャパシャとするのがお気に入り。インディアは水のスプリンクラーで遊ぶのが大好きで、2頭とも灼熱の気候のなかで夏を楽しんでいる様子だ。
ペットとして虐待ともいえる扱いを受けてきたエルサとインディアが、現在保護区で平穏に暮らしている姿を見て多くの人が安堵の気持ちだろう。しかしこうした保護区に800頭もの動物が暮らしているという現実も悲しい。密輸や違法ペットトレードは世界レベルで取り組み、なくしていかなければならない大きな問題だ。
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