アメリカに住むフェイスさんが飼っているペットはひと目見ただけでは何の動物かよくわからない。体格はロバに似ていて足が短く、顔は牛のようでいつも舌が出ている。体長はわずが41センチしかなく、フェイスさんの飼い犬と大きさがほとんど変わらない。
この不思議な動物は世界で最も小さい馬で、体に障害を持って生まれた。あまりに小さかったので母親のお乳に背が届かず、その馬を診た獣医からは足の骨が歪んでいて食べ物もうまく噛めないので生き延びられないだろうと言われた。
馬の飼い主はフェイスさんに電話をし、「もし興味があったら2日以内に取りに来てほしい。そうでなければ安楽死させるしかない」と伝えると、フェイスさんは車で国を横断して引き取りに行った。帰りのホテルで子馬の体をきれいに洗ってやり、名前を「ピー(お豆)」と名付けて家族として迎え入れた。
与えられたミルクを懸命に飲み、いつでも何かを食べたがる姿を見て、フェイスさんはピーは生きたいのだと確信した。曲がった足をまっすぐにする矯正シューズを作って履かせると、ピーは犬と一緒に家の庭を楽しそうに駆け回った。
フェイスさんの夫アダムさんもピーをひと目で気に入り、ディナーテーブルで膝に座らせてごはんを与えるほどの溺愛ぶりだ。靴を噛んだり紙を破ったりといたずらも多いが、夫妻にとってはそんなやんちゃなところも含めて愛おしくてたまらない。
周りの人は「その馬は100万頭に1頭くらいの確率だよね」と奇異の目でピーを見るが、フェイスさんにとってはほかに同じ馬なんておらず、ピーはこの世で唯一の存在だと主張する。「ちょっとクレイジーな家族かもしれないけど、何に替えてもピーを手放すつもりはないわ」と笑って話している。
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