ロンドンのパディントン地区の家で起こった火事で、被害にあったペットの猫を救うために酸素マスクが初めて使われた。

その動物用酸素マスクはイギリスの非営利団体「Smokey Paws（スモーキー・パウズ）」がロンドン消防隊に寄付したものだ。
それまで消防隊員は煙を吸って弱った動物には人工呼吸といった間に合わせの処置しかできなかったが、この専用マスクは猫に限らず犬、うさぎ、へび、ネズミにも使うことができる。

マスクは3サイズ展開で、動物の顔の大きさや鼻口部の長さによって適切なサイズを選べる。
「動物専用に作られたものは全然違います。動物の鼻口部にフィットするのですべての酸素を無駄なく肺に送り込むことができます。応急処置段階でこのマスクを使えれば救命・回復の可能性が高まるでしょう」と隊員のナサン・ビーバイ氏はコメントしている。

現在はまだトライアルではあるが、効果が実証できればロンドン全市の消防車に配備される予定だ。
消防隊員としては、まず人命を守ることが第一任務ではあるが、多くの人がペットを家族として大切にしている。家に残されたペットを救うために、パニックになった飼い主が燃えている家に駆け戻るケースも少なくない。万が一のとき、煙を吸ったペットを救う酸素マスクがあると知るだけで飼い主の不安を和らげることができるだろう。

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