海に囲まれた自然豊かな国ニュージーランドで、めずらしい動物のお客さんが人の家に入り込んできた。それは若い野生のアザラシで、海辺の街マウント・マウンガヌイに住むロスさん一家を大いに驚かせた。
ロスさんと奥さんはその日、朝6時に起きてジムに出かけようとした。車に乗ったときに車の下あたりから犬が鳴くような声がしたが、近所の犬だろうと特に気に留めなかった。
しかし7時頃に家に戻り、玄関のドアを開けてびっくり。家のなかに1匹のアザラシがおり、ペタペタと廊下を歩いてるのだ。
ロスさんの家は岸から150メートルも離れているにもかかわらず、そのアザラシは歩いてやってきたのだろうか。これはロスさんの推測だが、ロスさん夫妻がジムに行っている間、アザラシは家の庭をウロウロしていた。ちょうど飼い猫のココも外におり、おそらくアザラシに遭遇して逃げるように家に入ったがアザラシも一緒に猫用のドアをくぐり抜けて家に入ってしまったのだろう。
幸運だったのはロスさんは海洋生物学者で、アザラシの生態や扱い方をよく知っていたことだ。ロスさんはすぐに海洋生物保護団体に連絡を取り、待っている間に2階で寝ていた子どもたちを起こして彼らの新しい「ペット」を紹介した。子どもたちはソファでくつろいでいるめずらしい訪問客を見て喜んだようだが、飼い猫のココはそうでもなかったようだ。アザラシが保護されるまでココは近所の家に預けられていたが、騒動が終わって家に戻ってきた後もアザラシのいた1階に降りてこようとしなかった。
若いアザラシはこの時期に親から離れて自分で行動するようになるため、海岸近くの家々を訪れることが時々あるという。オスカーと名付けられたそのアザラシもちょっとした冒険心と好奇心で人の家に入ってみたのだろう。かわいらしい姿にロスさんらは喜んだが、猫にはトラウマが残ってしまったかもしれない。
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