アフリカ大陸と南アメリカの間に広がる南大西洋にポツンと浮かぶ孤島「セント・ヘレナ島」に、世界最高齢の陸上生物がひっそりと生息している。それはジョナサンという名前の陸ガメで、今年12月に190歳の誕生日を迎えた。
ギネス世界記録の資料によると、ジョナサンは1882年にセイシェル(インド洋西部にある群島の共和国)からイギリス領であるセント・ヘレナ島にやってきて、そのときすでに50歳を超えていた。島を統治する知事への贈り物として贈呈され、知事の敷地内やプランテーションで暮らしたそうだ。
さまざまな資料や記録から、ジョナサンは1832年に生まれたと推定されている。正確な誕生日は不明だが、現在の知事が今年の始めにオフィシャルバースデーを12月4日と定めた。誕生日祝いは3日間にわたって盛大に行われ、ジョナサンは大きなお皿に山盛りになった新鮮なベジタブルケーキを堪能した。
ギネス記録に登録されたジョナサンはセント・ヘレナ島の「顔」となり、切手や硬貨にも刻印されている。
現在ジョナサンは体長1.21メートルで、目は見えず匂いの感覚も無くなっている。しかし食欲は旺盛で、健康管理担当のジョーさんの声を聞くとご飯をもらえると思って近寄っていく。
どうやら性欲も衰えておらず、ともに暮らしているほかの陸ガメのエマ(メス)とフレッド(オス)と仲良くしているそうだ(ジェンダーを気にしない動物も多いらしい)。
老いや体の障がいを受け入れながら、よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ人生の大先輩ジョナサンには、私たちが学ぶべきことがたくさんありそう。これからも長生きしてギネス記録を更新し続けてほしい。
関連URL: Jonathan, a tortoise and world's oldest living land animal, celebrates 190th birthday