シンガポールで10歳の少年が猫にした残忍な虐待行動が国内外で大きな物議を醸している。
少年は動物虐待の事実を否定していたが、マンションの監視カメラには少年が猫を抱き上げ、フェンスの上に乗せて突き落とすシーンが映っていた。彼は罪を認め、家族から愛されずネグレクトされていたからやったと答えた。
パンサーという名前のその猫はノラ猫で、近所に住む39歳のウミさんという女性は11年にわたって餌をあげるなどの世話をしていた。彼女は死んでしまったパンサーの第一発見者であり、可愛がっていた猫の無惨な姿にショックを受けたに違いない。
その地域に住むノラ猫を世話しているバス運転手のチュアさんは、パンサーのような事件は1度だけではなく、過去2、3年の間に5匹の猫が同じ場所から落とされて死んだと話す。おそらく同じ少年の犯行と思われる。
この監視カメラの動画はインターネットで広まり、少年の残忍な行動への批判の声が高まっている。
シンガポールでは動物・鳥類保護法があり、動物への虐待行為は15,000ドル(シンガポールドル)以下の罰金、あるいは18ヶ月以下の禁固刑が課せられるが、青少年はその対象となっていない。
たとえ子どもでも繰り返される残忍な動物虐待行為は法で罰せられるべきだ考える人は多く、法の改定を求めてこれまでに6万以上の署名が集まっている。
年齢にかかわらず法で裁かれることが虐待の抑止につながると強く主張する人が多いが、なかには少年を心配する声もある。動物虐待はサイコパスの前兆であり、今後もっと凶悪な犯罪を犯す危険性がある。少年への処罰は精神面でのリハビリと再教育を伴うものであるべきだという意見は軽視できない。
少年がした行為は決して許されないが、親から愛情を受けたことのない10歳の少年が抱える心の闇を社会が理解・共感してあげることも犯罪抑止と更生のために大切なのかもしれない。
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