6月11日、バンコクの有名な屋外市場チャトゥチャック・マーケットに隣接するペット市場で火災が発生し、約100店舗が全焼した。この火災は鑑賞魚ゾーンの電気回路のショートによるもので、人的被害は報告されていないが、鳥、犬、猫、ヘビ、ネズミ、ヤモリなどが煙による窒息などで死んでしまった。
「私がここに着いたときには、すべてが燃えてなくなっていました」と、火災の通報を受けて市場に駆けつけた店主のアンポーン・ワナスットさんは話す。42歳の彼は、マーケットの一画でカメやニシキヘビ、キングヘビなどの爬虫類を売っていた。
「店内は真っ暗で何もできませんでした。みんないなくなってしまった。この先どうしたらいいのかもわからない。死んだヘビの一部を冷凍保存して、私たちが失った金額を計算しているところです」と肩を落とす。
事前の調査によると、この火災により、約1,400平方メートルのペットゾーンにある118店舗のほとんどが被害を受けた。BBCの取材班が6月11日の午後に市場に到着したとき、店主たちは補償請求のための列に並んでいた。何人かは取り乱した様子で、悲しみと絶望で泣いている者もいた。
もともとこのペット市場は「闇市場」として世界的に批判されていた。密輸入された動物など、不法に入手した動物を扱っていたり、小さな檻のなかに閉じ込められるといった劣悪な環境で動物たちが飼育されていた。
この火災事故をきっかけに、長年動物たちを苦しめ、しまいには火災によって命を奪ったペットゾーンを閉鎖するよう当局に求める声が再び高まっている。
動物の倫理的扱いを求める組織PETAは、この火災は「緊急に行動を起こす必要性を強調している」と述べ、施設の再開に断固反対する声明を出した。
タイのワイルドライフ・フレンズ財団は、チャトゥチャック市場を「バンコクの恥」と評し、「これらの動物の多くは、しばしば違法に密輸入されています。不道徳で、残酷で、動物の健康と安全を害している。バンコクは行動を起こし、動物に対するこの無意味な残酷行為を止める必要があります」と、市場を痛烈に批判した。
今後、ペットショップオーナーへの補償と動物の倫理問題のはざまで、市場がどのように変容していくか気になるところだ。
ワールドペットニュース
バンコクの有名マーケットで火災。1000匹以上の動物が犠牲に
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