中国に住む男性が、放し飼いのペットの犬に孫娘が追いかけられているのを見て、とっさにその犬を激しく地面に投げつけて殺してしまうという事件が起きた。
この事件は9月4日にネット上の投稿で報告され、ソーシャルメディア上で激しい議論を巻き起こしている。
投稿によると、そのとき若い女性がペットの犬を連れて浙江省の住宅街を散歩していたが、散歩ひもを付けていなかった。
その犬は近くでほかの子供たちと遊んでいた女の子を追いかけ始めた。男性は怖がる孫娘を助けるため、犬を抱き上げて地面に投げつけたようだ。
動画では、犬の飼い主が死んだペットのそばにしゃがみ込み、「私の犬を殺したわね!こっちに来なさい!」と声を荒げた。
しかし男性は、「あなたの犬は子供たちを追いかけて怖がらせていた。近所の端から端まで追いかけられて。見ろ!こんなに怖がっているじゃないか!」と、彼がした行為は子供を守るために必要だったと主張した。
飼い主は、犬はだれも噛んでいないし、ただ遊んでいただけだと反論し、犬を殺した罪を問うために警察に通報した。
警察はこの問題を慎重に調査し、関係者の仲介を行っていると述べている。
中国の法律では、犬の飼い主は公共の場では首輪とリードを使用することになっているが、リードがペットを制限すると考える飼い主もいるため、その遵守は徹底されていない。
中国東部の江蘇省にある法律事務所のシニアパートナーである蘭天彬氏は取材に対し、祖父の行為は子供を守るための「必要な行為」とみなされるため、法的な制裁を受けることはないと述べている。
中国のソーシャルメディア上では、この事件によって激しい議論が巻き起こっている。
「ほかの誰も悪くない。犬の飼い主以外は。飼い主のなかには、犬にとっても他の人にとっても脅威となる人がいる」
「彼女が招いたことだ。自分がその子の立場になって想像してみなよ。小さな子どもが犬に追いかけられるのは、大人が大きなクマに追いかけられるようなものだ。ただの遊びだと思うだろうか?」などと、飼い主に責任があるという意見が多い。
しかしその一方で、「犬だったから殺したのだろうか?もしあなたの子供がこの孫娘を追いかけたり、怖がらせたりしたら、このおじいさんが犬にしたのと同じような反応をするのではないかと心配になる」
「目の前で動物を殺された孫の心理的な影響を想像すると、必ずしも祖父のしたことはよかったと思えない」と、祖父の行動の軽薄さや狂気さを指摘する声もある。
中国ではとくに高齢者は犬を害獣扱いし、家族同様のペットだと認識しない人も少なからずいる。トラブルを防ぐためにも犬にはリードを付けておくべきだろう。
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